【映画】ホーム・アローン
ゲーム「影牢」の元ネタ?
主人公自身は攻撃する術を持たず、敵を待ち伏せて罠にかけて攻撃するゲーム「影牢」はホームアローンがモデルなのかも。
ホーム・アローンは「子供が置いてけぼり!留守番中泥棒きちゃった!どうしよう!?」みたいな展開がサクサク進むんだろうと思ってたんですが、結構じっくり心理描写してるんですね。お母さん頑張る。お父さんもっと頑張れ。
大人が「自律的に動く子供」を描くと「大人にとって大変都合のよい子供」になる矛盾
この映画は子供対子供で、大人にとって都合のいい子が勝つ物語。
泥棒がおもちゃを盗んでるんですよ、これは完全に子供。
カルキン君に与えられた役割は「完璧に善良な子供」
最高の可愛らしさと賢さと、手に負える程度の生意気さを兼ね備えた理想の子供像を完璧に演じている。
そういう「大人が描いた理想の子供像」にカルキン君は押しつぶされたのではないかと妄想しました。
「大人である俺たちの機嫌を損ねることなく、可愛らしく、適度に生意気に振る舞え」という抑圧はグロテスク。
おきまりのドラッグやアルコール依存も「都合のよい子供」からの逃走の表れだったんじゃないかと。
そうでなくても、いきなり脚光を浴びて周囲が変わってバランスを崩しますよねぇ。
親が自分のギャラを巡って裁判するなんて、グレない方が無理。
彼は俳優で人の指示を受けて動く仕事を生業にしていたから発散も難しそう。
その観点からすると、マイケルジャクソンはアーティストとして自分の思いを昇華する術と才能を持っていたので、かなり安定してた方なんだなあと思います。
なぜここでマイケルジャクソンが出てくるかというと、彼も子供のころからショービジネス漬けだったのと、「Black or White」PVにカルキン君が出ていたからです。
マイベストPV。最高にかっこいい。
エマ・ワトソンとかナタリーポートマンとか、女子は髪をバッサリ切るなどでイメージ変えやすいけど、男子はベビーフェイスで売れた場合、イメージを変えるのが難しいのかも。
可愛い王子様タイプは演技力薄っぺらと決めつけられて大成しないし。
(そういうレッテル貼りも酷い)
ブラピやディカプリオはマッチョになったり太ったりしてダーティな役を沢山こなしてからやっと演技派な扱いになったし。
【邦画】菊次郎の夏
北野武主演の映画は初めて。こんなに佇まいがかっこいい人だったなんて!
両津勘吉みたいだなーと思ったら下町の人なのね、そこから知らないレベルなんですよ
あと細川ふみえが夢のようにきれいな女性で驚いた。声も可愛くて天使みたい!
この音楽だけでもう泣くよ
有名なピアノ、久石譲の「菊次郎の夏」のテーマソングなのね。CMソングだと思ってた。
クズは行動がバリエーション豊かだから困る
ばかやろうてめえこんちくしょう(一息に)
北野武演じる菊次郎が、本当に、どーーーーしようもなくクズ。人に迷惑をかけても全然平気。ゆすりたかり平気でやるし、ごね得でなんとかしようとする。いちゃもんダブスタお構い無し。
ジャグリングやタップダンスなど、芸に関する好奇心が強くて飲み込みが早いのも子供っぽい。
優しさは優しさで返される
菊次郎はかつての自分と境遇を重ねた坊やに対しては優しく振る舞るまうようになる。
やってることは相変わらず、ゆすりたかり盗みだから美化してるといったらそれまでだけど。
ありがとうとごめんを初めていうシーンではさすがに目頭があつくなりましたよ。
大人たちが坊やに楽しい思い出を残すべく頑張ったのはきっと、子供の頃「こういう優しい大人たちに会いたかった」という願望もあるんだろうなぁ。
井手らっきょさんが裸で出てくるところ、たけしさんすごく笑いを堪えてたんだけど、これアドリブなのかな。師匠の度肝を抜くために色々やりそうじゃないですか。
なぜ「菊次郎の夏」なのか
この物語の主観も主人公も坊や。でも、タイトルは最後まで名乗られなかった「菊次郎」
これはなぜだろう?とずっと考えながら観てたんですが、おそらく、この二人がともに時間を過ごした最初で最後の日だったんでないかな、と思います。妄想です。
ラストにちょっとだけマッドマックスFRみがありました。行きて帰る物語、告げる名前。
お笑いから映画へ、昇華の方法の変化
「映画を撮るっていうことは自分の履歴書を書き換えているようなもの」と北野監督は言っていましたが。
お笑いという芸は、「普通」「常識」といった軸からちょっとずれたところに発生するものだから、観察眼や視野の広さがないと継続できないもの。観察眼や視野の広さを持っていると、自然と嫌なものも目に入る。
ブラックユーモア(赤信号みんなで渡れば怖くない)である程度昇華してきてはいても、間に合わなかったことも多いのでは。
だから、お笑いで天下を取った北野監督が細やかな情緒の描写をしても特に驚きはしませんでした。流石だなー!と唸りっぱなし。聡い人は大変ね。
菊次郎の夏レビューを見てたら見つけたブログ。こういう展開の文章大好き
【映画】フォレスト・ガンプ
アメリカの歴史と寝た、超シングルタスク男の一代記
「馬鹿と鋏は使いよう」はこの男のためにある言葉
演出が映画の手本かってくらいの素晴らしさ!
ワンカットでさりげなく、キャラクターの置かれている状況をきっちり示す。
脚装具のシーンや偉人との合成ときったCGの使い方も上品…完璧かよ…と思ってたらバックトゥーザ・フューチャーの監督だった。そりゃ完璧なはずだ。
改めてじっくり観ると、いろんな偉人やパロディがちりばめられてて超笑える。
子供の頃は全然わからなかったユーモア。
「フルメタルジャケット」のパロディは声出して笑いました。超褒められてる!
偉人に会いすぎだなと思ったけどフォレストが偉人だからですね、納得
そして見終わって大号泣
大切な人と一緒に観るべき映画はLA LA LANDではなく、フォレスト・ガンプです!
一期一会という邦題
「一期一会」を座右の銘にしている人に対してはどうも警戒してしまいますが、この邦題はぴったり。バス停で話を聞いてもらう人たちも、ダン小隊長も、一生のマドンナであるジェニーも、一期一会。そして死も生の一部である(そこはまだ私にはよくわかりません)
2016年個人的ベスト映画だった「pk」と何か似てるなーと思いながら観てたんですが、アーミルカーンはフォレスト・ガンプを演技モデルにしてるんじゃないかと思い至りました。見開いた目、まっすぐに走る男。
ジェニーの青い鳥
彼女にとって「安らぎ」は「非日常」
彼女は父親から暴力(おそらく性的なものも)受けていて、家に安らぎがないのか普通の感覚。「ここではないどこかに行きたい」と思う人。幼馴染のフォレストは彼女にとっては忌まわしい生活の一部になってしまっていて、真摯に自分を愛してくれていても共に暮らすことができない。暴力を振るう男と一緒になってしまう。
自意識も「私なんか」が標準だから、「お前なんか」と言わないフォレストを受け入れることができない。そこから脱却できたのかな、彼女は。死を目前にして安らぎを得られたのはよかった。
彼女の墓前でフォレストが「君の家はブルドーザーで潰した」と報告した時「いい男に看取られてよかったな!!」と泣きましたよ。
青い鳥はそばにいるんですね。
【邦画】めがね
ちょっと一杯黄昏ましょ
「めがね」は「かもめ食堂」と同じで、監督は荻上直子さん・主演は小林聡美さん&もたいまさこさん。二作品ともゆったりと時間が流れて空気が澄んでて、美しい食事風景が魅力。
「めがね」は「かもめ食堂」からさらに画面の美しさがパワーアップ!エメラルドグリーンの海や白い砂浜、春の緑の美しさが鮮やか。
画面を引き立てるシンプルな編成の音楽。
お刺身のような造り。
空間とか食材の使い方が本当に贅沢なんだけど、一番贅沢なのは薬師丸ひろ子さんの使い方。あそこ!?
かもめ食堂に続き、もたいまさこさんの超越した感じがなんとも魅力的。
そして今作ではモテモテ。私にもかき氷ください!自転車の後ろに乗せてください!
三日くらいこんなところでリフレッシュしてみたいですね。なぜ三日かというと黄昏の才能がないから。都会の喧騒とスマホが大好きだよ…
以前友人が「かもめ食堂」をオススメしてくれたんですが、今作「めがね」は別の友人がオススメしてくれた作品。
全然関係ない二人なんだけど、なんか雰囲気が似てる。とても朗らかで優しくて大好きで憧れる感じ。
今度メルシー体操しましょうね。意外と機敏な動きが盛り込まれてますよあれ。
【映画】ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
自然に繰り出される暴力!バリエーション豊かな拷問!基本的にみんなバカ!ゴロゴロ産まれる死体!
これぞガイリッチーの群像劇!!!
ゴルフを使った尋問が一番グッときました。
沢山の人物が出てきて、それぞれが欲望や企みを持って動き、交わって炸裂!
収束するラストで大笑いしました。
彼らは手に入れられたのかな?
自作「スナッチ」と比べるとだいぶ荒削りなんだけど、そこに味がある男の世界。
少しだけ出てくる女の子は強気でとてもよろしい。
マイベスト映画「スナッチ」の原型ということで、見覚えのある方もたくさん。
ジェイソンステイサムがツヤツヤしてる…かわいい…
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【映画】コンスタンティン
厨二病ばんざい!
私にも悪魔に取り憑かれた人の上に馬乗りになって、小さな聖書を手に悪魔祓いをしたい気持ちがありました…嘘です今もあります
聖水ぶっかけたり金のメリケンサックで悪魔をボッコボコにしたいですよ仕方ないでしょう
人外にモテちゃうコンスタンティンに一般ピープルは憧れてしまうんですよ!!
産まれながらに人でないものが見え、自殺を計ったため天国には行けず、悪魔の命を捧げ続けることで免除を受けようとしているとか、「いっぺんそんな風になってみてぇぇ〜」と思うやつ満載な設定。(実際なったら絶対無理なのも織り込み済み)
ティルダ・ウィントン様演じるガブリエルにいっぺんに心を持っていかれました
美しくて落ち着いた知的な物腰、思わずため息が出ちゃう。そんな美しい存在に嫉妬されるコンスタンティン…羨ましい…
【映画】スタンド・バイ・ミー
やがて大人になる僕らへ
子供時代の最後の二日間
知らない人がいない小さな町が世界の全て。家庭環境が悪いから勉強する環境じゃない、子供達みんな喫煙してるし、弱い立場は奪われ虐げられる場所。未来に希望なんて抱けない。
夢なんてあらかじめ奪われている、そんな四人の子供達の小さな冒険。
12歳のころの友達はもうできないかもしれなけど、そのころみつけた「変えられるかもしれない未来」をつかんだから、それでいいんだよ。
秀逸な邦題
過激な婦人参政権運動をしていた人たちを描いた映画「サフラジェット(婦人参政権運動組織の名前)」を「未来を花束にして」というゆるふわ邦題にされてブチ切れてた昨今ですが、「スタンドバイミー(側にいて心の支えになって)」という邦題は、主題をきちんと表しつつかっこよくて秀逸!
原題は「The Body(死体)」…これは伝わらない。
それにしたって名作すぎる
すごく地味な話なんだけど飽きさせない、低予算なんだけど画面も高級感があって、演出や身なりで彼らの中にも格差があることがわかる。
すごくよくできてる!
異様に美しい存在感を放つ子供
クリスがいい男すぎる!ハンサムで足が長い!彼自身の輝きと演技が卓越していると思ったら、演じたリヴァー・フェニックスもやはり傷ついた子供だった。
「自分を知る人がいないところに行きたい」と泣く演技はなかなかOKが出なかったけど、監督から「大人に裏切られた時のことを思い出して」と言われたら一発OKだったとか。
こんな小さな子供が「大人に裏切られた時」をすぐに思い出せるなんて。
親が所属していた新興宗教で性的虐待を受け、スタンドバイミーの時には既にマリファナでハイになっていたという証言も。
そして23歳で破滅的な死。
ジュディ・ガーランド(13歳で枕営業、覚せい剤・彼女はもっと昔だったし、映画界に色々強いられていたから少し違うけど。)といい、卓越した演技力を発揮する子供というのはひどい犠牲を強いられているものなのか。今の映画界はだいぶマシになったとはいうけど。
それにしてもホモソーシャル
罵り文句が全部「女」で、誰から認めて欲しいかというと「父」
完全に男社会。男社会は男も女も苦しめるんだから、さっさとぶっ壊しましょうね