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【新書】ギャルとギャル男の文化人類学

イベサーってバブル期の日本企業って感じだなというのが大まかな感想。
イベサーってなあに?の答えが詰まっている本。
地方出身の芋であり、20代後半の時に渋谷の高校生サークルに所属していたという話を聞いた時に「えっ、高校生にもサークルってあるの…?」とつぶやいた私でもしっかり理解できました。

ギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)

ギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)



年功序列や礼儀に厳しいとか学歴重視で縄張り意識や帰属意識が高いとか、パー券の販売ノルマとか、後輩やメンバーのメンタルケアのために飲み歩いたり話しかけてモチベーションアップさせるとか。全部旧来の日本企業で、ヤンキー文化。
幹部は飲食代や服飾費、通信費などで年間約200万ほど経費がかかるって、それホストの信長さんも似たようなこと書いてましたね。
でもサー人はホストを副業としないらしい。
理由は意外と効率よく稼げないから。

全体的に気になったのは女性の扱い。
ケツモチに見返りとして女性を差し出すことが一番多いとか、一時期流行った薬物の蔓延(中には飲んでいるお酒に混入したケースも)、ほぼ全員キャバクラ勤めをし、一部は風俗業やAV女優。闇金関係も多く、将来的にそれらの職に就く人が多いこと。

暴力団などの危ない人間とうまくコミュニケーションをとったり、将来のキャリアアップになる」と考えてイベサーに所属する人も多いとのことで、男子は「人間関係を保つために頑張って上の人とも付き合って、頑張った分将来活きてくると思う」と素直な上昇志向を述べるのに対し、女子は「暴力団関係とかと関わりつつも、危ないことはうまくかわしながら嫌われない技術を身につける。」と言うのには絶望感しかなかった。
彼らは現在の社会の暗部を受け入れて、肯定している。

とはいえ本書は2009年のものなので、現在はまた変化してるんでしょうね。

ちょっと笑ったのが、サー人の恋愛事情。
サー人は例外なく性的に奔放で遊んでいるから、サー人から恋人を選ばない、という記述。

「ナンパした女は尻軽だから嫌だ」ってぬけぬけと言う恋愛工学生と同じこと言ってやがる。