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【小説】化物語(下)

※ちょっとネタバレ
上巻の感想はこちら



自己処理能力の高さが裏目に

羽川さん、なんだかんだ言って自分の頭脳と理性を過信してる。

自己処理能力が高すぎる人は、自分で何でもなんとかやってきたから、諦めるのが下手だし感情の損切りができない。

あららぎくんに「私の方が戦場ヶ原さんより先に助けてもらったのに!私の方がずっと好きだったのに!」って、思いの丈をぶちまけて泣けないのが、羽川さんの弱さ。

生きていく以上、自分はどこまでもついてまわる。自分にとって、世界の中心は自分。
「自分さえ我慢すれば」は、巡り巡って破綻を招く。

でもあららぎくんは羽川さんの素直な気持ちを受け止めて、逃げずに答えてくれる誠意ある男の子だから、好きになったのは正解だったよ。

その点、戦場ヶ原さんは素直に自分の思いを伝えられるから強い。
自分の欲しいものをきちんと手に入れられるのは、素直に自分の思いを伝える・相手に全てを委ねられる勇気を持った人だ。

やはり人間素直が最強!


これは羽川さんに限ったことじゃないけど、「素直に自分の思いを話したら罰がくだる」という同調圧力は無視できないなー
素直に意見を言ってもいいし、それに対して応えられないと言ってもいいんだよ。
その時応えられないだけで、人格を否定したわけじゃない。
そういうわきまえが下手な人すごく多いんじゃないかしら(自分含む)

化物語(下) (講談社BOX)

化物語(下) (講談社BOX)



撫子に関しては、単なる被害者だから物足りなくてノーコメント。
化物語の魅力って「怪異に遭遇した人は、単なる被害者ではない」「何かを願ったせいで起こったから、加害者の側面もある」だから。