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【コミュニケーション】あなたの話はなぜ通じないのか

プロローグからして名著。

この本を読んで「私は自分のメディア力が低くなることを最も恐れている」と気付いた。

グダグダグダグダ関係ない自分の思ったことを徒然なるままに話す人、多分この本読んだら撲滅できる

あと、タイトルそのものが「上質な問い」
それを共有して、共感から入っているあたり、本当にうまい本。

想いが通じる五つの基礎

  1. 言う内容よりも言う人が誰か、信頼されているかが重要→昔戸籍上夫に「ジョブズの大学卒業式演説、いつも俺が言ってることじゃん。なんで俺の言うことは素直に聞けないのに、ジョブズの話は素直に聞けるわけ?と言われたのを思い出した
  2. 自分というメディアの信頼性「メディア力」を高めないと、話を聞き入れてもらえない→言い負かして「意見は正しいとわかったけど、あなたは嫌いになった」は失敗
  3. 伝えるほどにあなたへの信頼が高まり、結果的にあなたのメディア力が上がるから、話はますます通じやすくなる。そういう好循環を起こすために行動すべし
  4. 相手にとっての意味を考える。人は自分に関係ない、意味のない話は聞こうとしない。この現実を忘れると「いい話をしてるのになぜ聞いてくれない!」と独善的になる。
  5. 自分が言いたいことをはっきりさせる。話す前に、1番伝えたいことを極力短く簡潔にまとめ、頭が結論に持ってくるだけでずいぶん話は通じやすくなる。
  6. 意見の説明をする。5の補足。
  7. 自分の根っこの想い(根本思想)に嘘をつかない。言葉と根本思想が一致した時、非常に人の心を打つ。実はこれが1番大切。


まず基本中の基本

「根本思想をつかめ」

発する言葉は根本思想から枝分かれした先。
枝の先をつまみ、こだわるのではなく、根本(本質)をつかめば、的確に相手を理解できる。

相手の言わんとすることである
  1. 意見(相手の最も言いたいこと)
  2. 論拠(その理由)
  3. 問い(どういう問いに基づいて話しているか)
極力短く要約して自分の言葉で返すトレーニングが効く。
相手の意見を根本から見つめ、掴んだキーワードを念頭に置いて思考すれば必ず成功する。


良い問いを発見し、共有すること。答えで通じ合えないことは多いが、問いで通じ合うことは確実にできる。

WHYに答えるのが1番難しいが、その中に相手との架け橋となるキーワードがある。
そのためには「良い問い」を見つけること。
「私は何を問題にしているんだろう?」「いま、何が問題なんだろう?」「他の人は何についての答えが欲しいの?」
論点が違えば会話はすれ違うばかり。

文章でも会話でも、話全体を貫く一つの大きな問い「問題意識」を「論点」と言う。

また、答えは人により変わるが、問いは変わらない。

問いなら通じ合える。


内容や中身なんて誰も気にしない。先にメディア力(信頼)ありき。

CMをやっているインスタントラーメンから売れていくように、ものや情報が溢れる今の世の中、人は中身では選ばない。
CM、ブランドイメージ、評判、デザイン、口コミ、店の推し具合といった「情報の塊」で判断する。
情報に上がらないモノ、表現されない自己は無に等しい。

先に入った情報が後の情報を規定する。先に「こいつの話は聞きたくない」と思われたらほぼアウト。

人間は絶えず揺らぎ変わるもの。それをいちいち判断するのは億劫なものなので、第一印象や先行する情報を固定し、脳は思考をサボる。
この本も同じこと言ってました↓


人は上から目線の意見を受け付けない。

見下されながら放たれる言葉を、人は素直に聞き入れることはできない。
アドバイスや正論は「相手よりも自分の方がわかっている」という思いが含まれているから聞き入れられないものとして行動した方がいい。
互いの「教えて欲しい」「教えよう」という利害の一致ができていないと、コミュニケーションはとれない。
望んでもいない相手に正論を振りかざすのは失礼な暴力。
正論やアドバイスの効能を理解するよりずっとはやく、感情を害し排除したくなる。
理性より感情の方がコミュニケーションスピードが速い。

情報占有率

人は相手の、過去から積み上げてきたすべての情報で判断をしない。
その時相手が持っている情報だけで判断する。
10年間怒ったことがなかったとしても、10年ぶりに怒ったとき、たまたま出くわした初対面の相手にとってはそれが100%で、「この人は怒る怖い人」と判断される。
自分を誤解されないために、日頃のコミュニケーションが必要になってくる。
日頃のニュートラルな自分を伝え続けると、相手の中に、自分の実像に近い「メディア力」が形成されていく。

理解という自己発信

相手の発信に早めにリアクションすることで、相手への理解度を示す。それにより「この人は自分のことを理解してくれている」という安心感が生まれ、メディア力が強くなる。

共感の方法

無理やり教えようとしても聞き入れられない。言葉は関係性の中で、相手の感情に響く。そのため、共感を入口にしたコミュニケーションは、正論よりずっと確実に伝わる。
  1. 情報は配列が命。相手の欲しい情報を先頭にもってくることで、相手を不快にさせない配慮を行う
  2. 「相手が知りたいこと」を先に、「自分が言いたいこと」は後に。相手が知りたい情報が入っているから共感が発生し、自分が言いたいことも聞いてもらえる。共感を入口にする。


言葉が通じなくなる時

バックグラウンドがないと信頼がなくなるため、言葉が通じなくなる。フリーランスになった時、転職した時など。
言葉が通じないのは、伝えるだけの信頼関係がないから。

信頼される自己証明の条件

一貫性がないと信頼は生まれない。フーテンの寅さんは昔から・これからもフーテンという連続性があるから、フーテンであるということに信頼性がある。日替わりで就職しようとしたりフーテンになっていたら、信頼性は生じない。
初めての相手でも、「過去(今までやってきたこと)・現在(今やっていること)・未来(過去と現在を基にこれから目指すところ)」を示せば信頼を得られる。

あの人は短いやり取りしかしていないのに、なぜ信頼できるのか。

たった数回のやりとりでも「相手に対する理解力」があり、それを正しく示すことができれば、信頼をつかむことは可能。
多分詐欺師はそれがものすごく上手い。

コミュニケーションには、お互いのお互いに対する理解度がどうしても表れる。
相手を買い被っていれば違和感を持たれ、相手以下に侮っていては相手は傷つく。
どちらにしても相手は理解されていないと思い傷つく。

しかし、相手からのどの言葉も、正確な自分への理解を根に繰り出されていたとしたら、その言葉は余分な違和感なしに心を打たれる。

信頼の危機にはどう対処するか

  1. 誤解の元になっている問いは何かを正確に認識する
  2. それについて相手はどうだと思っているのか
  3. 自分はどう思っているのか
をおさえ、誤解を解いていく。言った言わないに話をもっていかないこと。
また、本心をぶっちゃけてしまうのも効果的な場面がある。(漫才で客を引かせたら「あかん、引いてる」と言うことで、現状認識ができていることを示す)