きた みた よんだ

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【エッセイ】トリオリズム

お姉様、ファビュラスです

あらゆる美とは、本能の持つ生命力が表出した姿だと、わたくしには思えます。

経験によれば、本能が皮膚を突き破ってさらけ出されている人間の姿を見た時、人は「あの人は輝いて生きている」というような気がするのです。

コミケに参戦するために人のアドバイスを聞いてきちんと実践したり、ジョジョの萌え語りをしてる叶姉妹ブログが可愛らしくて読んでみたら、いろいろぶっ飛びすぎな金持ち描写と

媚びず、驕らず、相手の喜ぶポイントを突き、自らに素直に快適に生きる真っ当な精神論とエロスが交差してて超面白かった。

恭子様はがっちりポリアモリーなのね。

 

恭子さんがお金持ちに自家用ジェットで島に招待された時、滑走路をピンクのバラで埋め尽くして待ってたとか、クリスマスツリーいっぱいに現金くくりつけてたとか、ぶっとびすぎてて読み進めるうちに

(^ω^)<あ、はい

と言ってしまうスケール感。ハーレクインも裸足で逃げ出す。

 

そんなド派手な金持ち描写に驚くけど、恭子様がやってることは「目の前の人を喜ばせることで自分も喜ぶ」という基本的なこと。

 

そのためには努力は惜しまないし、目の前の人が何を求め好むのかを瞬時に判断し答えを出す。そのコミュニケーション能力の高さ!

そして無邪気に喜ぶ様。

チャーミングすぎて、絶対会ったら好きになってしまうわこれ。

 

誰かより秀でた“異端“でありたいのであれば、孤独でいる覚悟が必要なのです。

孤独は悪いことじゃない。わたくしの知る限り、成功者はみんな孤独です。いまから孤独に耐えられないようでは、あなたはまったく成功できないでしょう、と、わたくしは彼のために言ってあげるのです。

孤独を見つめなければ成長はありませんよ、と。

(中略)

美香さんは「お姉様は異端なんです」と言います。美香さんのように、ウソも浮気もなく、ひとりのお相手との誠実なLOVEに生きたいという考えも、イノセントで素晴らしいものだと思います。ただ、わたくしにはできないだけなのです。

何より響いたのが、恭子様は自分が異端であることをきちんと承知しているということ。

相手に対して自分のスタンスをきちんと説明し(恋人といった関係性のラベリングはしない、複数愛する人を持つ、自分を楽しませるもてなしができないなら関係を切る、等)、自分の意思にそぐわなくなったら潔く切り捨てる。

 

日本では恭子様は「化物」「あんなの女じゃない」と後ろ指刺されまくってきたと思うんですよ。でも、恭子様はまったく気にしていない。己の信じる美しさを放ち、楽しんでいる。

 

そこに至るまでのバックボーンをものすごく知りたくなる一冊でした。

あっけらかんとしすぎてて、読んだら妙に元気になれるよ!

 

 

トリオリズム (小学館文庫)

トリオリズム (小学館文庫)