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【音楽】マッキー(槇原敬之)とオザケン(小沢健二)

槇原敬之さん(連れ合いが死ぬほど好き)小沢健二さん(私が愛憎入り混じる感じで愛している)のライブにそれぞれ行ってきたので覚書。

 

なんとも対照的なライブ、楽曲。

槇原敬之さんは本人が言うところの「ライフソング」を多く発表しているし(ゴボウをささがきにして〜なんて歌ってるのはこの人以外いないだろう)、小沢健二さんは昔「LIFE」というタイトルのアルバムを出している。活躍した時期もかなり被ってるし、二人とも「人生、生活」を歌ってるのに、あまりに違いすぎて笑えるほど。

 

槇原敬之さんのコンサートツアー名は「Time Traveling Tour」。その名の通り「昔の曲を聴きながら当時の気持ちになってもらおう」というコンセプト。デビュー28年にして60公演のツアーとは化け物か…

今まではアルバムを携えてのツアーのみだったから、新しいアプローチなのだそう。コンスタントにアルバム作り続けてツアーやって、化け物か…(2回目)

 

この「過去のヒット曲をやる」というアプローチは守りに入ったわけではなく、むしろ「新しいことをやる」という攻めの姿勢。2017年Believerコンサートで「これから第3期に入ります!」と宣言していたから。その時「他の人に提供した曲は、最近はセルフカバーしないようにしてるんです。才能が枯れた時のためにね!」と言ってて「この人枯れる気全然ない!!」と度肝を抜かれましたもの。

 

槇原敬之さんのコンサートは終始ほんわかしていて、おしゃべりも多くてトイレにも行きやすい親切設計。何せマッキーが「これからトイレタイムです!」と宣言してからMCを始める素晴らしさ。おしゃべりすると喉に負担がかかるからMCは極力しないというアーティストもいるというのに。

超有名な昔の曲も惜しみなく披露してくれるので、初心者にもとても優しい設計。

 

それに対し小沢健二のライブ「春の空気に虹をかけ」武道館公演は暴力的・攻撃的ですらあった。

36人編成ファンク交響楽と形容する公演、爆音でかかり続けてるよヒット曲といった具合なんだけど、だからってそこまで攻撃的か。ほぼ休みなしでアップテンポの曲を続けて演奏し続ける、けっこうな不親切設計。

観客に歌わせたり朗読させたりするシーンも多くて、それがアンセムっぽいというか、宗教的な雰囲気。

まぁ15年位恋い焦がれた相手なので、開始10秒でボロ泣きでしたけどね!

 

勝ちっ放し人生なオザケン楽曲

あとこの二人の比較で気づいたのが「小沢健二って失恋曲がパッと見つからないな?」ということ。

恋に落ちて場合によっちゃ略奪愛して、年老いた僕と君と子供と孫たち…勝ちっ放し人生!?(その最強ぶりが好きだったりするんだけど)

 

連れ合いは小沢健二さんのことを「いいこと言ってるんだけど、いちいち言い回しが鼻に付くというか高い所からありがたいお言葉ですねっていうか…」と言ってて、それは、わかりすぎるオブわかる…貴族だし元々視点が上の人だから、素で視点が上な人だからそういうもんだってところだけど…

 

でもライブに連れていったら「曲はいい。歌唱力は…」とのこと。歌唱力という点ではマッキーと比べて上手い人なんてほとんどいないよ(震え声)

あと小沢健二さんは朗読の人だから!!!

 

槇原敬之は「自分はダメだった、過ちを犯したし裏切った。謝りたい償いたい!」という後悔の念を昇華させてきたんだなって曲が多くて、小沢健二は「自分と時代があわなかった、不幸も重なって上手くいかなかったけど今ならできる」みたいな、自責の念が薄めというか、自己肯定感が元々高い感じ。

マジョリティ側とマイノリティ側の違いなのだろうか。(そう判断するのは短絡的だけど)

 

歌詞が先行公開された時 「ご飯が炊かれ麺が茹でられる永遠」ってどういうメロディになるんだ?と気になって仕方なかったけど、実際聴くとあまりの美しさに瞳孔が開きました。

日常をこんなに美しく綴れるなんて、と。

 

 

太陽

太陽

 

 覚醒剤で捕まった時、鉛筆すら持たせてもらえず頭の中だけで作ったというアルバム。ゴボウをささがきにする「濡れひよこ」も収録。

全体の完成度が高すぎて鳥肌が立つ。タイトル曲「太陽」は涙なしに聴けない。槇原敬之さん自身も思い入れが強いとのこと。でも「彗星」を「今日も誰かが下痢になって」とたまに替え歌してます。本当に申し訳ありません。