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【邦画】菊次郎の夏

北野武主演の映画は初めて。こんなに佇まいがかっこいい人だったなんて!
両津勘吉みたいだなーと思ったら下町の人なのね、そこから知らないレベルなんですよ

あと細川ふみえが夢のようにきれいな女性で驚いた。声も可愛くて天使みたい!

 

この音楽だけでもう泣くよ

有名なピアノ、久石譲の「菊次郎の夏」のテーマソングなのね。CMソングだと思ってた。

 

クズは行動がバリエーション豊かだから困る

ばかやろうてめえこんちくしょう(一息に)

北野武演じる菊次郎が、本当に、どーーーーしようもなくクズ。人に迷惑をかけても全然平気。ゆすりたかり平気でやるし、ごね得でなんとかしようとする。いちゃもんダブスタお構い無し。

ジャグリングやタップダンスなど、芸に関する好奇心が強くて飲み込みが早いのも子供っぽい。

 

優しさは優しさで返される

菊次郎はかつての自分と境遇を重ねた坊やに対しては優しく振る舞るまうようになる。

やってることは相変わらず、ゆすりたかり盗みだから美化してるといったらそれまでだけど。

ありがとうとごめんを初めていうシーンではさすがに目頭があつくなりましたよ。

大人たちが坊やに楽しい思い出を残すべく頑張ったのはきっと、子供の頃「こういう優しい大人たちに会いたかった」という願望もあるんだろうなぁ。

井手らっきょさんが裸で出てくるところ、たけしさんすごく笑いを堪えてたんだけど、これアドリブなのかな。師匠の度肝を抜くために色々やりそうじゃないですか。

 

なぜ「菊次郎の夏」なのか

この物語の主観も主人公も坊や。でも、タイトルは最後まで名乗られなかった「菊次郎」

これはなぜだろう?とずっと考えながら観てたんですが、おそらく、この二人がともに時間を過ごした最初で最後の日だったんでないかな、と思います。妄想です。

ラストにちょっとだけマッドマックスFRみがありました。行きて帰る物語、告げる名前。

 

お笑いから映画へ、昇華の方法の変化

「映画を撮るっていうことは自分の履歴書を書き換えているようなもの」と北野監督は言っていましたが。

お笑いという芸は、「普通」「常識」といった軸からちょっとずれたところに発生するものだから、観察眼や視野の広さがないと継続できないもの。観察眼や視野の広さを持っていると、自然と嫌なものも目に入る。

ブラックユーモア(赤信号みんなで渡れば怖くない)である程度昇華してきてはいても、間に合わなかったことも多いのでは。

だから、お笑いで天下を取った北野監督が細やかな情緒の描写をしても特に驚きはしませんでした。流石だなー!と唸りっぱなし。聡い人は大変ね。

 

菊次郎の夏レビューを見てたら見つけたブログ。こういう展開の文章大好き

 

 

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