きた みた よんだ

みたりよんだりしたものを記録するブログ

【映画】THE FIRST SLAM DUNK

スラダンの話を父に言った昔と子に語る未来と今をゆく私を思う

いきなりスラダン関係ないパロディからすみません

カキツバタ名曲ですよね〜

カキツバタ

カキツバタ

  • Pii
  • J-Pop
  • ¥255

 

お正月に2回目を観てきました。

正月は絶対休みなのに1日で映画が安い・大体空いていると言うことで、実は超いい映画の日なのです!

2回目観終わってからこの記事を書いているのですが、すでにまた観たい。円盤絶対買います。

「しっかりしろ!流れは自分たちで持ってくるもんだろうよ!」という彼氏(@宮城リョータ)の言葉通り、良い年にしようという気概で席を押さえたら、隣がタバコ臭くて終了のお知らせ。

しかし自分の半券をよく見てみると、1つ席を間違っていたため離れてみることができました!なんだか幸先良さそうです!

 


我が青春のスラムダンク

広島の片田舎で灰色の青春をすごしていた私の支えは、J-POPとジャンプ漫画でした。

小沢健二さんの記事でも書きましたが、当時ガチで娯楽がありませんでした。

紙を黒く塗って虫眼鏡で焼く位暇だった。

インターネットが一般的になるのは10年後くらいの時。

毎日退屈で、コミュニケーションも上手くないから人間関係が上手くいくことのほうが少なくて鬱屈は溜まっていくばかり。

本屋どころかスーパーすら近所になかったので、娯楽は繰り返し読むコミックスくらい。

絵を描くのは好きでしたが、上手くなかったのでコンプレックスを募らせてしまっていたので発散方法にはなり得なかったというダメっぷり。

(だからこそ、絵を描いて喜んでもらえる時が今はたくさんあって、びっくりしつつ嬉しかったりするのですが)

なので原作は何百回も読み返してます。


当時スラムダンクを読んでバスケを始めた子どもがたくさんいましたが、私もその一人です。

父はスポーツをよくやらせてくれる親だったのと、兄も一緒に始めたのもあり、休日はよくバスケットゴールのある場所に連れて行ってもらっていました。


二つ上の兄が暇な時に(田舎だから暇じゃない時の方が無い)バスケに付き合わされてたので、同級生の中ではそこそこ上手い方になりましたが、コミュ力0で協調性が皆無なため、ぜんぜん上手くいきません。

中学バスケ部は辞めて漫研に入りひたすらオタク絵を描く暗黒の青春時代になりました。

バスケやってても絵を描いてても暗黒だったので、完全に私がダメだったんだなぁと今は冷静に思います。

 

完全に不意打ちだった映画

何百回も読んだスラムダンクからはすっかり離れ、内容は全部覚えてるけど好きか嫌いかと言われるとそんなに…という状態になっていた時に飛び込んできたニュースが「スラムダンク映画化」

全然楽しみにもしてなくて、TVアニメファンの友人からは予告の酷評を聞き、映画に行く気はゼロ。


しかし、上映開始した途端Twitterでは絶賛の嵐!

ちょうど休日をGETしていたので、ついでに観に行くか〜くらいの軽い気持ちで映画館に行ったのが、2022年12月半ば。


…ええ、まんまとヤラれました。完全に不意打ち。

「問答無用で始めるぜ」という感じのオープニングでもう完全KO。
メンバーが鉛筆で描かれて、それが動き出すのが、井上雄彦先生の戦場(絵を描く)とメンバーの戦場とリンクしてて、熱い、熱すぎる!

家でも職場でもスラムダンクの話しかしないスラダンゾンビになりましたとも。

もちろん新装版の単行本も全巻即買いしました。

連れ合いも一気読みしたしいい買い物だった。

 

スラムダンク未読でアニメもほとんど知らない夫にレイトショーの席を買い、飲み会の帰りに半強制的に観に行かせる始末。

「帰ったら起こしてね、感想聞かせて」と言う私に対し、夫は「いいよ寝てなよ」と言って出発。

しかし、帰宅時には寝ている私に「ヤァヤァ妻よ!スラムダンクについて腹を割って話そうじゃないか!!」と言いながら起こしてくるほど魅力にヤラれていました。

この件で、藤村くんの起こし方は最悪だと心で理解しました。本当に酷い。

 

私と同じかそれ以上のスラダンファンである兄も観に行ったので、映画のおかげで20年くらいぶりにまともに会話をしましたね。大して仲良くない兄妹なので…。

兄は私と違って長年バスケをやり、怪我に苦しめられながらもキャプテンもやってたので、思い入れは強いようです。昔なかやまきんに君のテレビ番組でバスケ出演してるのを観て、あまりに上手いのでびっくりしました(上手いのを知らないくらい疎遠だった)

 


兄は「俺みたいに何百回もスラダンを読んだ人じゃないと、あの映画は面白く無いんじゃないの?」と言っていましたが、連れ合いが「全然スラダン知らなかったけど超良かったですよ!!」と即否定してて本当に良かったです。良い結婚をした。

 


今読むと彼らは

スラムダンク原作をあらためて読み返すと、昔と違った視点で物語を味わえて感慨深いものがありました。

豊玉の監督と同世代になってるので、彼の「俺の半分しか生きてないお前らのその態度はなんだ!」にじーんときちゃうところとか。


職場でスラムダンクの話しかしないでいたら、上司から「スラムダンクの何がそんなにいいのか教えて」と質問をされまして。

そこで二日ほどしっかり考えたら、答えが出ました。

スラムダンクって、「協働ができるようになってアイデンティティが確立する話」なのだ、と。

 

赤木は弱小校にしか入れなかったのに「全国制覇を目指す」といって馬鹿にされて、木暮以外のチームメイトには恵まれなくて。

三井くんはかつて混乱を

宮城も過去の経験で人と関われない臆病さから自由になれず

流川はバスケに打ち込んではいても、突出しすぎて周りとの協調が難しい

桜木はわかりやすくグレていて


協働できなかった子たちが、自分の得意なところで頼られ、苦手なところは頼り、信頼関係を強固に築いていく

仲良しじゃなくても信頼関係を作ることができたという、そこが多くの人の胸を打つんだと思います。

バスケを通した成長物語だから、普遍的で色褪せないのです。

 

夫は自称新海誠の保護者なのですが、すずめの戸締まりよりスラムダンクの方が古びないから絶対に見ろと言っていました。ひどい。

※なぜ保護者を自称しているかというと、新海誠がメジャーになるずっと前からファンで、ミクシィでつながって新海誠を囲む会を開催してたからです。その会自体には風邪で出席できなかったらしく残念。


永遠の「憧れる絵」

デフォルメが控えめでリアルだから、絵柄が古びないのも強いところ!

るろうに剣心とか封神演義を、連載当時ひたすら模写していたのですが、スラムダンクだけは模写出来ませんでした。うますぎるのと、憧れが強すぎて。今も恐れ多くてなんだか描けません。

かといって今描いてる推しとかキャラに対して見下してるとかそんなことは全くないのですが!!

理想で憧れすぎて触れられない、井上雄彦先生の絵に対してはそういう畏怖の気持ちが子どもの頃からあります。

描きたい気持ちは持て余していますが!

 


宮城リョータへのシンパシー

私は身長が低くて、動きが早い方だったのでガードになることが多かった子どもでした。

(ただしチームワークはゼロだったので、全然使えないダメプレイヤーでした)

小さくて素早い宮城リョータは、スラムダンクの中では感情移入の対象でした。

考えてみると、彼は全試合しっかり出ていて、身長の高くてリーダーシップのある強い選手と何度も対峙してきました。

あまり語られなかったけれど重要なポジションのキャラクター。今の時代、主人公になるにふさわしいキャラクターだと心から思います。彼の物語が見れて本当に嬉しかった!!

映画では第ゼロ感が流れるシーンが全部最高でしたね!血湧き肉躍るとはあのことよ。

ガラの悪い音楽が最高に似合う彼ら。キッズにはギュンギュンなエレキじゃないとね!

 


余談

スラムダンクのキャラで誰が1番好き?と聞くと大体の確率で三井寿が挙げられます。ほんとにみんな三井寿好きだよな!

私はこれまでは木暮くんが一番好きで結婚相手はゴリでしたが、映画を観てからは宮城リョータと結婚したいし息子になってほしいくらい、母性本能くすぐられまくりでした。

全人類映画スラダン観てリョータに萌えてくれ。

(しかし映画終了後「やっぱり三井寿が大好き。まず見た目が好き」と言う女子の言葉を聴きながら帰路についたのであった)