【映画】シェルブールの雨傘
「あなたの雨傘はわたしよ」
一卵性の母と娘、恋人ではなく母親を選んだ娘のお話。
どうもこのお母さん、問題から目を背けがち。
お金がなくて自分の店が潰れそうだという時に「髪型を変えれば…」とか言って美容院に行こうとするのなんかもう、見てられない。
(しかしその後の髪型も変わってないママである)
娘の恋人との年齢を理由に反対してるけど、娘の結婚相手が気に入らないだけ。
娘が金持ちな紳士に見初められたらさっさと結婚させるし。
本当はその相手と自分が結婚したかったのを、娘を使って叶えてるのが嫌な感じです。
ジュヌヴィエーヌを見初めた宝石商、妊娠しててもあっさり結婚するって言うあたりほんとすごいね…
「この夢はあなたとじゃないと叶えられないものではない」
けどそんな母親も娘も悪いとは思えないんですよ。女性が抱いていい夢なんてほとんどなかった時代だろうから。
恋人のギイの夢は「ガソリンスタンドを持つ」なのにヒロインであるのジュヌヴィエーブの夢は「子供の名前はフランソワーズ」
この「母になることが女の喜び」みたいなのがね!真綿で首を絞められるような気分。
あとその夢、別に相手が誰でも叶えられますよね…
選べる夢と別れ方の違い
ここからは「LA LA LAND」との比較になります。なぜなら「LA LA LAND」の元ネタが「シェルブールの雨傘」であると聞いたからです。(若干ネタバレします)
両作とも「好きだけど別れなければいけなかった二人」がテーマだけど、根本的に違うのが「別れの理由を受け入れられたか否か」
シェルブールの雨傘では兵役(政治)と家庭の台所事情という、自分ではコントロールできない事情が別離の原因だから、彼らは納得できていない。
LA LA LANDは互いの夢と野望を叶えるためという、自分たちで選んだ別離だから、彼らは納得している。(しかも夢を叶えている!)
このアップデートのされ方は本当に好きです。今の自分の生活を肯定できてれば幸せ。そして肯定のためには納得は不可欠。
LA LA LANDがミュージカルじゃない!と批判されてたのはシェルブールの雨傘がイメージソースだという話が広まったせいかも。
なにせシェルブールの雨傘は全編歌いっぱなし!(踊らないのでミュージカルではなくオペラだという話もありますが)
「シェルブールの雨傘」は色使いが本当に綺麗で勉強になるので、たまに見返したいですね。
原色と原色の組み合わせなのに喧嘩してなくて、上品。けど家の果物は超不味そうに見える。なぜだ。
ファッションも可愛くて真似したくなりますね。ジュヌヴィエーヌが着てたコートはバーバリーでした。
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