きた みた よんだ

みたりよんだりしたものを記録するブログ

【漫画】親なるもの断崖

聡一さん、まだ本流は女性じゃないよ

っていうか来るのかそんな時代?頑張って逆行しようとしてるよな日本は?
読みながら、暴力的な怒りが産まれてくる壮絶な漫画でした。

こんな時代がまた来るのかもしれないと思うと吐き気がする

生きようと思えばここは地獄
死んだと思ってもここは生き地獄よ

でも未来には希望を残したいの

「親なるもの断崖」がTwitterで話題になるちょっと前に連載してた「レジより愛を込めて」をたまに読んでいました。
絵が緻密で、雑誌めくってるだけでも引き込まれた。
そして「親なるもの断崖」を読んで、「こんな壮絶な世界を紡げる曽根登美子先生が、今は企画が通らずレジ打ちしてるって、どんだけ人材活用できてないんだよ!!!」と眩暈。
新装版が出て本当によかった。
読めてよかった。

妖怪男ウォッチ

筆圧も装丁もスパーキング!!

ブログを何度も読み返したしnoteも前購入して読み返しまくる程度にはぱぷりこさんのファンなので、一気読みするぞヒャッホーと読み始めたら、あまりの筆圧と霊圧でなかなか読み進められませんでした。
3日もかかった…

ピンクとネイビーの二色刷りの装丁、超かわいいんですが、ビビットカラーなのと若干の版ズレのおかげで酔います
…いや、中身の濃さに酔ってるのかもしれない。

今までは、西に自信のない女子がいればなぜ『姉の結婚』『今日は会社休みます』は駄目ファンタジーなのか - 妖怪男ウォッチをLINEで送り、東にモラハラ被害者女子がいれば「彼といると成長できるの☆」が危ない。ブラック企業男に引っかかる恋愛社畜女 - 妖怪男ウォッチを送っていましたが、もうこの一冊を渡せばOK、効率ここに極まれり。

女子はもっと自分のために怒っていい!

最後の「退散の章」は全女子必読。
人生が生きやすく楽しくなるコツが凝縮されています。
嫌なことにNOと言い、常識や外圧はスルー!
「自分のために怒る」とは、誰かに負の感情をぶつけるのではなく、「私は怒っている!傷ついている!この気持ちはしょうがない!」と認めてあげること。
この記述、十年前に読みたかった!!!
全体的に物理で殴る、地に足がついた確実な強さを身につけるレクチャーをしているのに、「妖怪」「封印!滅っ!」「妖気噴出」などスピリチュアル単語が頻出してるところが…好き…
あとお札が12種類もついてる書籍って世界初なんじゃないだろうか。好き。

個人的にはぱぷりこさんのお父様とお兄様がコンサル男で苦労したという記述に泣きそうになりました。私も父と兄がコンサル男です…

私の妖怪男事例

元夫は自称ロジカル男と束縛使いにディスり芸人を少々足した妖怪でした。
調停や裁判でも俺俺ロジック振りかざすこと30分〜2時間、調停員や裁判官が呆れるという、燃える木のないところでマッチを擦り続ける焼畑ぶりを披露。
「感情的な人とは話したくない」って言われながら何時間も俺ロジックで殴られたなー(遠い目)
その俺ロジックは「女は感情的で男は論理的=妻は女だから感情的で俺は男だから論理的=妻は間違ってて俺は全部正しい」という、論理構造ドコーな内容だったので、お察しです。
あと低学歴で自信がなかったため、本気で私を軟禁(キャリアを奪うことで緩やかに実行)しようとしてました。
夫婦仲が破綻極まった時に「こんなことになるくらいなら、家に閉じ込めて何もさせなきゃよかった」って言いましたからね…
「それは私に仕事をさせなければよかったってこと?」と聞いたら「うん」と答えましたし、家出したら「誰のおかげで生活できてたと思ってんの?」って何回も言われました。
それはゴミをゴミ箱に捨てず、食事の皿を下げないお前の世話をしていた私のおかげだよ。

私の目が覚めたから逃げられましたが、何年もかかった…
モラハラを我慢してた、十年前の自分に叩きつけてやりたい本です。
十年前の私ー!!好きに生きろー!嫌なことは嫌って言っていいんだぜー!さっさと二重埋没して別の男漁れ!!

妖怪男ウォッチ

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ぱぷりこさんに感想読んでもらえて嬉しすぎた!!


ぱぷりこさんのツイート読んでまた気づいた

【映画】君が僕を見つけた日

何度でもあなたを見つけてみせる


同じタイムトラベルものの「アバウトアタイム」とヒロインの顔が似てる!…と思ったら同じ女優さんでした。タイムトラベラーの嫁をやらせたら天下一品。
どっしりと構えていないとタイムトラベラーの嫁はつとまらない。
主人公にもったいないくらい可愛くて強いのは変わらず。


タイムトラベルものとしては珍しく(?)過去に戻って無敵やるものではないのが新鮮。

タイムトラベルに関しては、服を持っていけないから毎回調達が必要・勝手にタイムトラベルしてしまうため制御不能・年代が指定も不可…など、相当制約が大きい、というより異常体質といった方が相応しい。
思いっきり生活に支障きたしてるし、主人公とヒロイン夫婦は翻弄されている。
しかしヒロインが強い!!

ヒロインのコートやニットがどれもかわいい〜
早く冬が来てほしくなりました。
夏服飽きたよ〜〜

あとゴメスというキャラクターがいるのですが、顔がまぎれもなくゴメスです

きみがぼくを見つけた日 [Blu-ray]

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【コミックエッセイ】母がしんどい

あの…よく…生き延びられましたね…

強烈な母親の描写に頭がクラクラしました。
お母さんからの強烈なモラハラを経て、彼氏もがっちりモラハラ
田房さんが自分を取り戻しコントロールできるようになれたのは奇跡ですよこれ。

自分の人生を自分で満足させられない人が、子供の人生を乗っ取る

暗殺教室でも、親が子供を使って自己実現を図ろうとする様を「強くてニューゲーム」と表現していたけど、本作はまさにそれ。
お母さんが作った作品を、子供の名前でアート展のキッズ部門に応募して、一次審査を通って大興奮してるエピソードが象徴的。

私も「しんどい母」になりかけたが踏みとどまった。それは正解だった

私は大学卒業と同時に、パワハラにより内定辞退をしました。そしてモラハラ男と、大学卒業と同時に結婚しました。
バリバリ働きたかった私は完全に鬱になり、数年ほど引きずったのですが、その時人生で一番出産したかった。
元々子供を欲しい気持ちなんてゼロだったのに、その時だけ強烈に、母という役割と、母という役割を与えてくれる子供を求めた。
キャリアを理不尽に絶たれた恨みを晴らす役を子供に押し付けたかったからです。
強くてニューゲームをやりたかった。強烈に。
今の自分には全く価値がないから。
幸い妊娠はせず、仕事が見つかり充実してきたらモラハラ夫を捨てられる状況になったので、家出して調停裁判してなんとか離婚できました。
今はたいして子供が欲しいとは思いません。
縁があったら、そのうち、会えたらいいかもね、という曖昧さ。
今は自然に暮らせています。

自らの願望や恨みを、自らの拳と腕力で叶えられたからです。


そして解毒の旅は続く

田房さんは本作以降、ダイエットやキレる自分を解毒するコミックエッセイを多数出されているので、それも読まねば。
人間、長年毒され続けると、かなり長い時間をかけないと心の毒が抜けないんだよね…
ほんの数年、元夫にモラハラされただけでも何年もかかったからなぁ。
本当に尊敬します。

母がしんどい

母がしんどい


【映画】ラストエンペラー

歴史がさっぱりな無教養なので、画面すげ〜ジョンローン美し〜とつぶやきながら観るしかできない自分が恨めしい。
…漫画中国の歴史とか読もう。

ジョン・ローンの洋装の美しさに完全ノックアウト。柱の陰から見ていたい。

栄光の時代の後と跡

まだCGが一般的でないからか、迫力のある画を作るとなると「大掛かりなセット」「すごいロケ地」「とにかく多い人」がキーになるということで(偏見)豪華絢爛。
黒澤映画を観ているときにもいつも思うけど、今の映画と比べると、とにかく画面内の人数が多い!!
ここまで映画に資本をぶっこめるのが、栄光の時代だったんだろうな…と。

スターウォーズで何万人ものトルーパーが大行進してる画面よりも迫力があるのは、実写の強さか。
まだまだCGでは「歩いてきた人々の服についた砂」みたいな、細かすぎるけどリアリティを確実に与えるものを再現するのは難しいんだろうな…コスト考えただけで眩暈がするよ。

3歳で奪われた人権

皇帝は幼くして即位し、城に閉じ込められ、クーデターで追い出され、また即位するも傀儡の身…という不憫さ。
そんな彼が、人生の一時期は遊んで豊かに暮らせたというのが救いだった…のかな…
とか考えて思い至ったのが、日本の天皇
作中でも皇帝は「日本には親近感がある。天皇という、私に近い立場があるから」と話していた。
高齢ながらもお勤めを果たし続けてきた方が、退位したいという希望を表明した平成天皇
正直、考えるとしんどい部分です。

描いているのが、普遍的な「自由に、思うままに生きてみたい」という要望なので、現代と通じるところが色々出てきますね。

映画史に残る大作であることに大いに納得した一本でした。

【小説】かもめ食堂

ゆるふわに見える日常の土台は、強く凛々しい精神

映画を観てからの小説。
映画からは怒りや強さがかなり抜かれていたし、登場人物たちから人生に対する後悔や不安がすっぽり抜けてたけど、小説にはそれらがきちんと描かれている。
優雅な生活なのに、かもめ食堂がなぜ運営できているのか、しっかり根拠が描かれているから安心して読めます。

でもこれを「普通だけどおかしな人々が織りなす幸福な物語」と呼ぶのは間違い。

やるべき努力を積み上げ、自らの意思で道を行く人が幸福になるのだ。
つまりサチエさん強すぎ伝説

 

 

 

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

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【心理学】顔は口ほどに嘘をつく

読み始め、最初のテストは5問正解(でも一瞬よりは長く見てたから正解率低い)
口元ばかりを見る癖があるようで、眉毛の形や歪み方をきちんと見ていなかった。
「おでこを出すと幸せになれる」という言葉は、「おでこを出すことによって眉が見えやすくなり、感情の行き違いや誤解が減るからストレスが少なくなる」ということなのかもしれないと思う。

感情表現は普遍的であり、文化によって異なるものではない

西洋に住んだことがなく、映画も観たことがない人達と、英語を話しアメリカのスクールに通う学生達に感情表現のテスト(様々な表情を撮った写真を見せ、この人はどういう状態かと説明してもらう)を行ったところ、文化の差を超えて大多数の人が同じ判断を下した。翻訳による問題があるにも関わらず、文化が異なっても、同じ表現に異なった感情を割り振る例は一度もなかった。性別による変化もなし。

感情の表明は条件反射で起こる

例えば一人で運転している時に事故に遭いそうになったら、驚いた顔をする。
  1. 感情は私たちの安全にとって、極めて重要だと思われる物事への反応であり
  2. 感情は素早く始まるので、それを引き起こす心の中のプロセスに、私たちは気づかない。

感情には引き金がある

人が怒る時には、様々な理由がある。寝不足や空腹といったフィジカルな理由や、怒りやすい性格、日々のストレスや相手と長期間揉めているために怒りを感じやすくなっている、といった「現在の問題」以外に、怒っている人が過去に受けたことで怒りの引き金が引かれている可能性もある。怒っている人は、過去のシナリオを再演しているのである。
例:何かうまくやれなかった時には父親が必ずからかう家庭で育つ(父親は冗談半分)
→人生のかなり早い段階で「一人の力ある人間が自分をからかうことを通してさげずむ」というシナリオが、情動喚起データベースに書き込まれる
→その後長い間、誰かが自分をからかう気配を感じると、怒りを持って反応する

引き金の力を弱めるには

  1. 自分をそんなにも怒らせているものが何かを突き止める(怒りの理由を自覚しないうちに感情は自動評価される)
  2. 自分が怒りに駆られた時に気付いた時や指摘された時に、記録をつける→記録しているうちに、過去の記憶への紐付けに気付く可能性がある

感情と気分の違い

感情ははるかに短く、気分は長い。
気分は特定の感情を喚起しやすい。苛立っている時、怒る機会を探しはじめる。
また、気分に自覚は産まれにくいが、感情は気付き、原因を特定することができる。

持続時間で判断するとわかりやすい
感情→数秒で消えることもあれば、数分続くこともある
気分→数時間、もしくは1日・2日と続くこともある
性格的気質→その人の持つ傾向。鬱気質の人は悲しい気持ちや憂鬱な気分を抱きやすい等

怒りは怒りを呼ぶ

怒りの連鎖は急激にエスカレートしていく危険性がある。相手の怒りにムッとせずにはいられない。とくに相手の怒りに正当性がなく、独りよがりのものであればなおさら。
他人の怒りはもう一つの怒りの原因とみなすことができる

人が期待に反した行動をする時も、怒りに駆られる場合がある

実は愛する人ほど最も私たちを傷つけ、失望させやすい。
恋愛の初期、恋人のイメージを勝手に膨らませ、理想化したイメージに相手が従わないと怒りを覚える。
知らない人よりも親密な人に怒りを示す方が自然だと判断するためかもしれない。
一番気にかけてる人に最大の怒りを覚える一つの理由は、彼らが私たちのことをよく知っている人間だから。
私たちの恐れや弱み、何が私たちを傷つけるかを、それらの人たちは知っている(と思い込んでいる)

怒りのバリエーション

かすかな苛立ちから激怒まで幅広い。
憤慨→独りよがりの怒り
拗ねる→受け身的な怒り
激昂→忍耐に忍耐を重ねた結果
復讐→過去にされた仕打ちに対する怒りの行動だが、一定の時間がおかれ、自分のされた仕打ちより過激な行動となって現れる
恨み、憎しみ→普段は忘れていても、対象に触れると再燃する怒り。長期的に抱くもので、化膿し、忘れられなくなるものもある。恨みが心の中で熟成されると復讐となる可能性も。

相手が怒りの表情を出していても、あなたに対して怒っているかどうかはわからない

たいていの感情の表情は半秒〜4秒続くが、だいたい2秒が平均。表情の持続時間は感情の度合いの強さに比例する。
わたしたちは人がなぜ怒っているかをわかっていると思いがちだが、その解釈が当たっているとは限らない。(例:注意したことで怒った表情を相手が浮かべていても、注意されたことが不服なのか、注意されるようなことを自分が行ってしまったことに対する怒りなのか、他者は特定できない)
即座に問題を解決する必要があるときは、怒りをクールダウンさせないと、問題の特定や解決策を練ることに集中できず、怒りをさらに煽ることにしかならない。

恐怖の表情を読み取った時の対処法

何が感情表現を産み出しているかわかっていると思い込まないように注意する
恐怖という感情表現がなされた状況の流れから原因を割り出すことはできるが、他にまったく異なる原因があるかもしれないという可能性を考えずに、感情の原因がわかっていると思い込む過ちを犯す可能性がある。

楽しい感情 

愉しむ→最も単純な楽しい感情の一つ
満足→すべてがこれでいいと思え、何もする必要がないと感じる時。気が楽になる。
興奮→真新しいこと、挑戦心を掻き立てられることへの反応として生じる。単独で感じられることもあるが、怒りと混じって激怒にはったり、恐れといっしょになって強い恐怖になるなど、しばしば他の複数の感情と混じり合う。
安堵→自らを脅かす感情が引いていくときに覚える
驚き→まれにしか感じられないことと、理解できないものに圧倒される感情。強烈で、楽しい状態。持続時間は非常に短い
エクスタシー、至福→自己を超越する歓喜の状態。強烈なものであり、かすかにだけ体験できるものではない
高揚感→人の善良さ、親切心、思いやりなどを感じさせる思いがけない行為を目にした時に経験する暖かい感情。高揚感に触れるとより良い人間になろうとしたり、利他的な行為をしたくなったりする。

達成感について

子が親に与える達成感もある。
ユダヤには子が何らかの成果を収めた時、親が喜びを感じる体験を言い表す「ナチェス」という言葉と、それに関連した「クグェル」という言葉もある。

ナチェス→子供だけが親に与えることができる、喜びと誇りがないまぜになった強烈な感情(オリンピックで自国の選手が活躍した時に観客が感じるものと同じかもしれない)
クグェル→子供や孫の成し遂げたことで、強烈な誇りを感じ、顔を輝かせること 

喜びの表情「笑顔」笑いと顔の筋肉

口角を引き上げるだけでは喜びの表情とならない。正直な喜びの感情は大頬骨筋と眼輪筋がいっしょに収縮する表情となって顔に現れる。
眼輪筋を意図的に収縮させるのは難しいので、眼輪筋が動いていれば心から笑っていると判断できる。
非常に辛い状況に対面していても、眼輪筋を動かして笑うことができる人は回復が早い。

楽しくない「笑い」

お世辞笑いのような唇だけの笑い、会話の最中同意を示す笑いなどの他に、窮地に立たされた際に「笑ってこらえる」こともある。
それは面白くない感情を認め、自分が批判を浴びても笑っていられる潔い人間であるということを示している。

顔は口ほどに嘘をつく

顔は口ほどに嘘をつく