【エッセイ】さらば、メルセデス
天罰がくだるのはこれからですよ
車売っただけであなたの禊が済むわけないじゃん
タイトルの「メルセデス」は高級車であるメルセデスベンツのこと。成功につれて車のランクが上がっていく、という意識が本当にバブルで、もはやダサい。
とんねるずは、フジテレビの「オールナイトフジ」に出てから火がついた新しいタイプのお笑いの2人組だった。
僕が放送作家の頃からの付き合いで、お互いに仕事がうまくいくようになってからは、「もうやること成すこと当たっちゃって!」と、軽口を叩きあっていた。
重い扉を開けて入って来た木梨が、「秋元さん。あんまり、忙しすぎて、自分を見失ってない?大丈夫?」と、真面目な顔をして訊く。
罐入りのウーロン茶を両手に持った石橋が、「でもさぁ、こういうのって、いつまでも続かないよね。怖いと思わない?いつか、天罰下るよね」本気とも冗談とも取れない口調で言う。
とんねるずは今まさに天罰(というのは大げさかもしれないけど)をくらってますね。
自分たちの絶頂期のときの感覚そのままで表現をして批判をくらって、なぜ批判されたのがわからないという。
こいつの罪は大きい
いちいち鼻につく「かっこいい俺」的な憐憫
とっくにマジョリティ側のくせに若者に寄り添って代弁しているつもりなのが厚かましい。
そもそもなぜこの本を読んだかというと、毎週楽しみにしている「ポスト・サブカル焼け跡派」で、ラスボス的存在である秋元康が特集されていたからです。
この連載面白すぎるので書籍化はよ。
ポスト・サブカル焼け跡派(T.V.O.D.) | 百万年書房LIVE!
秋本は現代の遊郭の主
AKBをはじめとした大人数グループは、秋元康の繰り出す企画で大躍進しました。
そのほとんどは「女の子たちがものすごいプレッシャーで体力的にもメンタル的にも消耗していくことを楽しむ感動ポルノ」です。
売り物は彼女たちの(大人の不手際や用意した無理難題を乗り越える)姿であって、歌や踊りではありません。歌と踊りのレッスンをしてブロマイドを売りランキングをつけて一喜一憂させるのは、現代の遊郭です。
なんで秋元康は女の子たちに対して酷い仕打ちをしつづけているくせに無責任なんだろう?しかも先生面…と思ってたんですが、この本読んでわかりました。
秋元康にとって女の子は、女の子は人間ではなく眼差すためだけのモノなんですね。男子校に通っていた高校生の時から感覚がアップデートされていないんです。
いまだに男子高校生の「あの子に憧れる僕」という自己陶酔を若い女の子たちに歌わせて搾取しているわけですが、規模が大きくなりすぎてて弊害がすごい。
そもそも放送作家になるきっかけとなった原稿が「ナオン、少女のあえぎ声、処女無情の響きあり」で始まる平家物語パロディですからね、高校生の時から、感覚がほんとにオッサン。
NGTで起こった事件を謝るどころか運営を叱ったと他人事。事件か起こったときの支配人は表にでずに新支配人は女性にさせてすべてを押し付ける…そんなところは日本の「上の立場に行けば行くほど責任を取らなくなる」の典型だなと思ってます。
あとこれは完全にいちゃもんなんですが、この本は余白と改行多すぎで「そういうところだぞ」となりました。
一般的な本のレイアウトにしたら、ページ数半分くらいになりそう。
「 35mmの原稿用紙」は当時アイドル(男女問わず)について語っているものですが「僕はファンになってしまった」って何回言うんかい、と突っ込みながら読みました。作詞家のわりに語彙が豊かではない…