きた みた よんだ

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【ルポ】Black box

これぞジャーナリズム。

作者の伊藤さんは本当にエネルギッシュで聡明な人。伊藤さんほどの人でも打ちのめされるくらいの、男尊女卑ぶり、司法のザルぶり。ここまで戦える人はいない。本当に尊敬し、感謝します。

 

事件のことが丁寧に記されているんですが、読んでるだけで絶望しました。日本にはレイプされた人を助ける措置が一つもないこと。産婦人科でも警察でも冷たい対応で、泣き寝入りするよう何度も「説得」されること。伊藤さんが山口にレイプされたことを責める時、日本語ではなく英語でしか表現できなかったこと。

 

ジェンダーギャップ114位の国でレイプされるとこうなる、と。それでも伊藤さんが全世界に発信するまでに漕ぎ着けたのは、強い信念があったから。ここまでできる人はいない。ジャーナリストの鑑。

 

伊藤さんは事件後、レイプ犯の山口敬之とメールで何度もやりとりをしてるけど、その時点で山口敬之自体には勝ってる。山口敬之の文体はもろにモラハラ。でも語彙が少なく主張がペラペラ。山口敬之が逃げられたのは、虎の威を借る狐だから。

 

性被害を受けたら救急へ行くべし。レイプキットをもらえる。婦人科ではもらえない。

知るかそんなの!レイプされたら妊娠を疑うから婦人科行くに決まってるだろ!と怒りながら読みました。周知させる気がないのが本気でヤバい。婦人科に置いててもいいでしょピルみたいに。売ってるものでもないみたいだし。

詳しくはこのサイトに記載されていました。こういうの素晴らしい。

被害に遭ってからすぐ

 

こういう知識が広がる意義もあるから、この本は素晴らしい。会う人全員に読んでほしい。

 

 

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